今回は、今年で開業90周年を迎えた東急池上線のイベント報告です。
開業90周年を記念して、東急電鉄では車両の一部にヘッドマークの掲出やスタンプラリーをを4月から順次行っています。そして、開業記念日となる10月6日には「池上線開業90周年記念記念祭り」を池上駅近くの池上会館にて行いました。
そして最大の目玉となるのが、この開業記念日のみ運転される、『「7700系クラシックスタイル」特別仕様列車』です。そもそも、「7700系クラシックスタイル」とは、池上線開業90周年を記念して、車両の外観を改造する前の車両、「(旧)7000系」に似せるために正面の赤い帯を撤去した車両【7910F】で、この車体は改造前から合わせて50年も使用しているものです。
しかしこの「クラシックスタイル」、東急ファンの自分からすれば正面赤帯を撤去しただけでは少し物足りないのです。なぜなら、正面の行先や運行番号表示器は改造後の3色LEDの状態のため、リアルな再現とはなっていませんでした。しかし、10月6日の『特別仕様列車』は、オリジナルヘッドマークを取り付ける他、【当日限りの特別装飾を施して運転】するとのことで、期待をしていました。
今回の『特別仕様列車』は事前に東急側からダイヤが公表され、なおかつ営業列車での運転であることから沿線には多くのファンや親子連れが詰めかけました。そして、まずは雪が谷大塚駅から五反田駅へと出庫をする回送電車を撮ることにしました。そしていよいよその時が。来た『特別仕様列車』は、行先表示器が幕式に戻され、運行番号表示器も板のものに変えられ(しかも運行番号は池上線開業90年に合わせて「90運行」!)、さらに車体の番号が「7910」から元の番号であった「7001」になっているなど、細かい所まで再現されているものでした。
そして、側面には、かつて東横線の急行電車などで使用していた「サボ受け」を復活させ、『池上線開業90周年』という紺色のサボまで付けていました。この紺色の地に白文字で書かれているのは、恐らくかつて(旧)7000系が日比谷線直通電車として運行していた際に、渋谷方面への誤乗防止に『日比谷線直通』というサボを掲げて走っていたことから、その「再現」をしたものと思います。
『ここまでやるのか!』と思いながら感心する筆者。今度は旗の台駅で蒲田行を撮りました。かつての急行灯を点灯させて到着した電車。白地黒抜き文字で書かれた「蒲田」の行先を見て懐かしいと感じた人も多いのでは。ちなみに、「7002」側では運行番号表示器が板では無く、手で回転するタイプのものになっていました。
旗の台駅から実際に乗り、石川台駅へ向かいます。実は、土曜日に運行されたため、本当は何回か往復するのですが、授業の関係で撮れるのはこれが最後となります。石川台駅では7700系同士が並ぶ場面もありました。「クラシックスタイル」の7700系と、本来の7700系の違いがはっきりと分かると思います。
撮影は残念ながらここまで。最後に運転される「雪が谷大塚行」も撮りたかったのが悔やまれますが、今回の『特別仕様列車』こそが《完璧な》「7700系クラシックスタイル」と呼べるもので、5年前に東横線で運転された「リバイバル急行8000系号」と同様、いやそれ以上と言っても過言ではないほどの再現度で感服しました。
このようなイベントはどちらかと言えば縮小傾向にあるのに対し、広く情報公開をして期待を裏切らないイベントを特にここ最近数多く行っている東急線。これからも鉄道関連のイベントを数多く行って頂きたいものです。最後に一言。『これだから東急ファンは止められない!!(笑)』